食道癌と自然体で向き合う [Living Naturally with Esophageal Cancer]

人生は不公平極まりないが、すべての命は例外なく尽きる。そんな当たり前のことでさえ、我がこととは無縁と生きてきた。生を受けてからすでに半世紀を超え、着実に死に向かっていることに意識を向けることもないまま、告げられた宣告。ここに綴った文章がどこかの誰かに役立てば幸いです。

2020-01-01から1年間の記事一覧

5年半にて寛解

モノトーンの雲が低く立ち込める10月下旬、半年ぶりの京都。秋というよりも初冬に近く、肌寒い。院内に以前の混雑はなく、新型コロナ発生直後の春よりは増えているが、採血は30人ほどで順番がきた。 内視鏡の検査は、数年前に一度効きすぎたことがあって以来…

完全寛解ならず、そして新型コロナ

四月中旬の平日、術後五年まで後ひと月。鴨川沿いの桜並木はすっかり葉桜になって春の風に揺れていた。 新型コロナの影響で病院内は普段の半分以下しか人がおらず、採血の待ち時間も半分以下。胃カメラもほとんど待つこともなく、いつもと同様に終えると、半…