食道癌と自然体で向き合う [Living Naturally with Esophageal Cancer]

人生は不公平極まりないが、すべての命は例外なく尽きる。そんな当たり前のことでさえ、我がこととは無縁と生きてきた。生を受けてからすでに半世紀を超え、着実に死に向かっていることに意識を向けることもないまま、告げられた宣告。ここに綴った文章がどこかの誰かに役立てば幸いです。

2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

放射線治療

第一弾の抗がん剤投与が終ると二日かけて腎臓を点滴で洗浄。一日12回の小便は人生最多記録達成である(しかもいちいちが大量!)。 そして放射線治療。 前もって胸一面にマーカーがつけられており、ハリウッド映画の人体実験に使いそうなSFぽい部屋のど真ん…

患者の心得

強烈な抗がん剤の投与が終った翌日。特に変わったことはないが、一番しんどいのが今日だと言う。 癌患者になってみて最初に気づいたことは、私はそれほど私が嫌いではなかったことだ。生き急ぐような青春を過ごし、やりたいことだけやって、30半ばで夭折する…

抗がん剤投与

手術を選択しない食道癌患者を待っているのは、抗がん剤と放射線である。 抗がん剤による治療とは、患部と対峙する放射線に反し、広範囲の効果を期待するもので、太い血管である中心静脈まで挿入したカテーテルを介して薬剤を投与するのが主流のようだ。 私…

医者の選択

2014年2月14 日金曜日午前10時半。St. Valentine's Dayに最初の入院というのは憶えやすいと想っていたら、日本列島は寒波に襲われ、大阪も近年にない積雪に見舞われた。病室に生活用具をセットし終えると、放射線医で森本レオ似の担当医が現れ、最初の抗がん…

発覚

2012年11月、母が亡くなった直後、ひどい風邪をひいた。 寒いし、ストレスあるし、そのせいだ。喉の調子も悪いが、風邪だから。ただ咀嚼感にちょっとした違和感があったのを記憶している。喉が荒れているのだろう。飲み物をゆっくりと呑み下して洗うような癖…