食道癌と自然体で向き合う [Living Naturally with Esophageal Cancer]

人生は不公平極まりないが、すべての命は例外なく尽きる。そんな当たり前のことでさえ、我がこととは無縁と生きてきた。生を受けてからすでに半世紀を超え、着実に死に向かっていることに意識を向けることもないまま、告げられた宣告。ここに綴った文章がどこかの誰かに役立てば幸いです。

腸ろう延長

11月30日、月曜日。

天気予報は外れてぽかぽかとする小春日和。川沿いで一服していると、ちょうど向かいに西日本最高額とTVで紹介されていたマンションの建設が進んでいるのが望める。空に水際に様々な鳥が飛び交う。

二日前の土曜日に日本最大の商店街天神橋筋を往復したのに、今日は脱脂綿を止めた位置が悪かったのか、朝からちょっと動くたびに激痛が走る。ゆっくりゆっくりとまるで死期の迫った老人のように歩を進めて担当医の元へ。

CTスキャン、細胞、血液、すべて問題なし。ところが、腸ろうは栄養剤を入れようが入れるまいが今日は外さないという。53kgから1、2kg体重を落としていることを正直に申告したしたせいだろう。万が一、食べれなくなってまた手術となることは絶対に避けたいという医師の意思を感じる。儲からないし面倒くさいからだろう。しかたない。後三ヶ月我慢するしかない。

ダンピングについては人様々なようだ。私の場合、泡が無制限に溢れ出てくるのと冷や汗がメインだ。そのタイミングは、食べてないとき、食べてる最中、食後とまるで不定期。その他の症状はたいしたことはなく、食事はケアレスミスでごっくんしてしまって詰まる程度。医師によるとそのふたつは異なる原因だろうということだが、特に処置はなし。

三ヶ月後のCTと血液検査、それから一週間後の結果告知の予約を入れて退散し、近くの薬局でネキシウム(胃酸分泌抑制薬)と苦いのが嫌なので変えた睡眠薬リスミーを購入。

天気はいいし、なにかおいしいものでも妻に食べさせてやりたいのだが、動くたびに痛みが走る。川沿いのセブンイレブンで二種類のブリトーをシェアしてランチを終えて日が暮れる前に帰宅した(妻はスイーツを追加)。