食道癌と自然体で向き合う [Living Naturally with Esophageal Cancer]

人生は不公平極まりないが、すべての命は例外なく尽きる。そんな当たり前のことでさえ、我がこととは無縁と生きてきた。生を受けてからすでに半世紀を超え、着実に死に向かっていることに意識を向けることもないまま、告げられた宣告。ここに綴った文章がどこかの誰かに役立てば幸いです。

#生活習慣病

下痢型過敏性腸症候群

五月三〇日、月曜日の正午に検査結果を聞きにまた京都へ。ワイフは前日からひどい腰痛に見舞われていたが、痛みに耐えつつ、随行してくれた。 「痩せたね」 主治医の第一声である。 「腸ろうやめたからなあ」 苦笑いするしかない。問題はそこではない。まめ…

人にまつわる数字

五月十四日は亡き母の誕生日であり、特別な日であると同時に特別な連数字でもある。 今年は土曜日だったのでワイフと一万歩散策を兼ねて遠くのスーパーへ出かけ、遺影に供えるためにマスクメロンを購入した。熊本産と高知産と同じ値段で陳列してあったが、迷…

喫煙とひじき

引き続き、詐欺士さんのブログにインスパイアされて。 『喫煙』について詐欺士さんはかなりの愛煙家だったそうだが、癌発覚後、禁煙されたそうな。しかしながら私は以前と変わらず一日一箱喫っている。詐欺士さんは出会った医者の言葉がきっかけになったとあ…

腸ろう延長

11月30日、月曜日。 天気予報は外れてぽかぽかとする小春日和。川沿いで一服していると、ちょうど向かいに西日本最高額とTVで紹介されていたマンションの建設が進んでいるのが望める。空に水際に様々な鳥が飛び交う。 二日前の土曜日に日本最大の商店街天神…

検診

11月19日、木曜日。 食道の摘出手術を受けてちょうど半年。細胞の検査結果で問題なしと聞いてほぼ二ヶ月、ひさしぶりにK大病院へ。地下の駅から地上へ出ると辺りの景色は一変して秋風情の趣になっていた。樹々は赤く、黄色く、それらの葉が地面を敷き詰め、…

狭窄感2

経過観察に入って三度目のCTスキャンの日。 陽子線治療を終えて十ヶ月、QOLにほとんど問題なく日常生活を送りつつ、月一の病院通いを続けている。 敷地内に入ると、ちょうど一年前、コロコロ(小型スーツケース)を引き摺って、大雪のなか、抗癌剤投与のため…

今年最後の診察

今日は血液検査だけ。月曜の午後、普段の半分以下の患者数に少々驚く。そのおかげでいつもは5、60人ほど待たされるのがわずか10人で順番が回って来た。 おそらくいままで一番手慣れたおばさんがさっさと採血をしてくれる。 「かぶれたりしないですか」 …

胸部不快感

陽子線治療を終えて半年が過ぎ、二度目のCTスキャン。 主治医はまったく問題なしと言う。それはいいことなのだが、胸部の不快感はずっと続いていて症状を伝えるが、他の患者にそんなことを言う者はいないという。 不思議だ。ネットをみると同じことを訴えて…

治療後半年を迎えて

先月の定期検診に特記すべきことはなかった。有給をとった妻といっしょに出かけ、問診を受け、いつもの胃薬と睡眠薬の処方箋をもらい、近くの薬局でひと月分の薬をもらい、映画『ルーシー』を鑑賞し、食事して帰宅。 今月はひとりで出かけ、50人待ちで採血…

体重減少

先日、TVでサイバーナイフが紹介されていた。実は、陽子線と決める前、セカンドオピニオンも必要と思い、神戸にある施設に話を聞きに行った。現れた医者は専門医でもなく、こちらの質問でわからないことはいちいち携帯で訊く始末。まったくの無駄足だったこ…

副作用2、内視鏡、ラウンド2

毎日病院に通って放射線を数分浴びることを続けて三週目ほどから空咳が出て来た。新たな副作用である。喉の奥がいがらっぽく、痛痒い感じが続き、睡眠にも影響が出て来たので医者に告げた。 「気管支もやけどしてますからね、普通です」 食道にある癌に放射…

患者の心得

強烈な抗がん剤の投与が終った翌日。特に変わったことはないが、一番しんどいのが今日だと言う。 癌患者になってみて最初に気づいたことは、私はそれほど私が嫌いではなかったことだ。生き急ぐような青春を過ごし、やりたいことだけやって、30半ばで夭折する…