食道癌と自然体で向き合う [Living Naturally with Esophageal Cancer]

人生は不公平極まりないが、すべての命は例外なく尽きる。そんな当たり前のことでさえ、我がこととは無縁と生きてきた。生を受けてからすでに半世紀を超え、着実に死に向かっていることに意識を向けることもないまま、告げられた宣告。ここに綴った文章がどこかの誰かに役立てば幸いです。

日記

Blogspot掲載記事1

術後三年を過ぎて (2018/05/19) 日本初のパーソナル向けワープロOasisが1980年代初頭に発売されて飛びついた。3台使って、Macに乗り換えたのが10年後の1990年代。以来、ずっとMacユーザー。現在使っているMacBookProも6年が過ぎて支障が出始めている。裏…

引越しました

引越し先はこちらです。 今後ともよろしくお願いします。 http://pepsinishida.blogspot.jp

術後三年まで後ひと月

桜はすっかり散って、春めいた曇り空の下、先日の検査結果を聞きに京都へ。主治医が緊急手術ということで、入院時に優しい言葉をかけて下さった、ワイフお気に入りのH先生と再会した。 「検査結果を見ただけでよくコントロールされていることがわかりますよ…

誤嚥、お得感、夜桜、健康

先日久しぶりに逆流、誤嚥した。飛び起き、スリッパも履かず、メガネもスマホも手にせず、階下ヘまっしぐら。 洗面所でむせまくり、うがいを繰り返し、少し落ち着いたとリビングで座り込むが、喉の痛みとむせは治らず、洗面所への往復を10数回繰り返し、ワイ…

もうすぐ術後三年

定例の検診結果を聞くために真冬の京都へ出かけると、突然ワイフが立ち止まり、同時に声を上げた。 「山中先生!」 目の前のタクシーが駐車場の中へ入っていく。この研究所の前を歩くたびにノーベル賞受賞者の山中教授の話をしたのは度々あったが、まさか実際…

耳管開放症

先日検査結果を聞きに主治医のもとへ訪れたときのこと。 血液検査は概ね良好、CTも問題なし。そこでひとつ気になっていた質問をした。外出すると頻繁に耳詰まりするようになり、一向に改善の兆しがないことだ。 「手術は無関係だから気になるのなら耳鼻科へ…

患者という立場

定例の3ヶ月検診。午後からの採血とCTだけなので気楽に構えていたが、想像以上だった。 採血はなんと初めて待ち時間なし。CTは四人待機していたが、利用者アンケートを渡され、書き込み終えたところで、「血管に入りにくいとありましたので」と言われて問題…

医者のスキル

先日TBSの特番『スーパードクターズ』を観た。御馴染みの脳神経外科医福島先生の巧みな技量は健在。74歳になられていまだあのタイトなスケジュールを平気でこなしておられることに感銘を受けた。 福島先生しか助けることができない命は世界中にある。先日亡…

悪くない数字

梅雨の間の晴れた日、蒸し暑い初夏の古都へ、先日の検査結果を聞きに出かけた。 血液、内視鏡、CT、すべて良好。 「2年になりましたね」 縫合不全は自力で治癒を待つしかなく、身体は栄養剤を受けつけず、吐くものがないのに一日中容器に顔を突っ込んで嗚咽…

雨の出町柳

定例の3ヶ月検診のため、早朝から大雨のなか外出。Tシャツ1枚で出てきたため、病院に着いた時には身体が冷え切っていた。 採血の後、移動して苦手な内視鏡へ。技師の男性が針先が動脈に当たったということで10分ほども左腕を指で抑えて止血。睡眠剤を入れ…

術後2年

5月14日は亡き母の誕生日。生存していれば今年89歳。ワイフが奮発して母の好物のケーキを買って来て遺影の前に置いてくれた。 2年前の5月14日は私が覚悟を決めて入院した日でもある。12時間に及んだ手術はその5日後の19日だった。 その後の半年は、入院中、…

もうすぐ術後二年

3月16日の検査の結果を聞きに主治医に会って来た。予想通り、CT も血液も問題なし。また三カ月後の検査の予約を入れた。今度は、苦手な胃カメラ付きなので気が重い。 罹患以来、ネットを主に様々なメディアから知識を得ているが、今気掛かりなことが二点あ…

ちょっと遅れた三ヶ月検診

Hatenaのカコさんのような熱心で興味深いブログを読ませていただくだけで、自分では検診後しか書き込まなくなってしまっている。 久しぶりに自分の頁を開くと、それでも今日7人の訪問者。罹患して情報を求めている人たちがいることを久しぶりに実感する、3年…

ネキシウムは重要

八月一八日にCTと血液の検査をし、その結果を主治医から聞きに二九日の月曜日に再び真夏の京都へ。 いずれもワイフは有給休暇をとって一日かがり。いつものことだが、もっと合理的にならないかと想う。検査の結果が出るまでに時間が必要なことはわかる。しか…

敏感であること

幼少の頃、テレビの競馬中継を観て、サラブレッドの美しさ、逞しさ、そして儚さに魅了され、アメリカ留学時代に初めて馬券を購入してビギナーラックで儲け、東京で会社勤めをしているときに同僚に誘われて初めてJRAの馬券を購入し、またまたビギナーラックで…

下痢型過敏性腸症候群

五月三〇日、月曜日の正午に検査結果を聞きにまた京都へ。ワイフは前日からひどい腰痛に見舞われていたが、痛みに耐えつつ、随行してくれた。 「痩せたね」 主治医の第一声である。 「腸ろうやめたからなあ」 苦笑いするしかない。問題はそこではない。まめ…

人にまつわる数字

五月十四日は亡き母の誕生日であり、特別な日であると同時に特別な連数字でもある。 今年は土曜日だったのでワイフと一万歩散策を兼ねて遠くのスーパーへ出かけ、遺影に供えるためにマスクメロンを購入した。熊本産と高知産と同じ値段で陳列してあったが、迷…

腸ろうがとれる

2月22日。 三ヶ月ぶりの京都は真冬とは思えない穏やかな風情。月曜の朝だというのに病院のなかもいつになく穏やかで人も少ない。血を抜くのも50人くらいですぐに順番が回って来た。その後のCTもすぐに済んだ。 担当医とは午後イチということで病院内の…

RIP To GLENN

国立がん研究センターの公表によると、『食道がん、胆のう・胆道がん、肝臓がんの10年生存率は30%以下』。 つまり、10人中7人は罹患して10年以内に亡くなる。7人というのはかなり大きな数字のように感じる。私の場合、13年暮れに発覚し、翌年春に陽子線…

癌検診に期待しない

http://gigazine.net/news/20160112-cancer-screening-mortality-rate/ オレゴン健康科学大学の准教授が発表した論文が騒がせているとのこと。 毎月検診を受けていたのに再発を防げなかった者の一言。 現在のレベルでは検診はほとんど無力に 近い。日々の生…

閲覧者一万人を越えて

様々な人々の書き込みや情報から恩恵を得たことから、自らがブログを書くことで少しでも次の人たちの役に立てたらという想いで始めたら、訪問者数が一万人を越えた。 癌に罹患して困惑している人たちにひとつ言いたいことがある。 近年芸能人たちが罹患して…

喫煙とひじき

引き続き、詐欺士さんのブログにインスパイアされて。 『喫煙』について詐欺士さんはかなりの愛煙家だったそうだが、癌発覚後、禁煙されたそうな。しかしながら私は以前と変わらず一日一箱喫っている。詐欺士さんは出会った医者の言葉がきっかけになったとあ…

リンゴ

詐欺士さんの『隠れてリンゴ』と事情がありそうなコメントに触発されて^ - ^ リンゴの有益性はいろんなところに語られていて私も以前よりとるようにしている。しかしながら皮ごとでないともったいないのがポイント。 若くはないのでバリバリはちときつい。 …

食道がん術後の食事

食道がんに関する記事やブログを数百以上目を通したが、現在参考にさせてもらっているのは唯一『詐欺士の戯言』のみである。手術時期、体型、以前の食生活など、さらに先日の検査、検診日時のコインシデンス(偶然の一致)など共通点が多いからである。しか…

腸ろう延長

11月30日、月曜日。 天気予報は外れてぽかぽかとする小春日和。川沿いで一服していると、ちょうど向かいに西日本最高額とTVで紹介されていたマンションの建設が進んでいるのが望める。空に水際に様々な鳥が飛び交う。 二日前の土曜日に日本最大の商店街天神…

検診

11月19日、木曜日。 食道の摘出手術を受けてちょうど半年。細胞の検査結果で問題なしと聞いてほぼ二ヶ月、ひさしぶりにK大病院へ。地下の駅から地上へ出ると辺りの景色は一変して秋風情の趣になっていた。樹々は赤く、黄色く、それらの葉が地面を敷き詰め、…

食事法

台風で東海地方が大荒れというニュースが嘘のように大阪と京都は薄曇りで涼しい穏やかな日。 前回とった細胞に問題がないことを医師から知らされ、まず安心。しかしながら、食道の拡張を希望すると、詰まることがあっても普通に食べれている程度じゃあバルー…

縫合後の食事

8月26日、胃カメラ検査をし、医師からショックなことを二点告げられた。 ひとつは、普通の人よりも食道が細いこと。内視鏡を使って広げる施術をすることを勧められた。 もうひとつは、胃カメラで撮った写真。確かに以前よりはきれいになっているのだが、一…

退院後

自宅に戻ってもやることは同じ3回の栄養剤を何時間もかけて腸ようから吸収する。 しかし、これがなかなか思い通りにならない。簡易器具でやるために、ときに気がつくとあっという間に終っていたりして、そのたびに強烈に下痢に見舞われる。 私の場合、エレ…

退院

しばらくほうっておいたら訪問者が8000近くになっている。それだけ情報を求めている人たちがいることを想い、続きを書く。 7月26日。退院した。医者が「ひげ」と呼ぶ、裂け目が消えたからだ。後は、ノルマの栄養剤を入れ続けるだけの日々が続くだけなので…