食道癌と自然体で向き合う [Living Naturally with Esophageal Cancer]

人生は不公平極まりないが、すべての命は例外なく尽きる。そんな当たり前のことでさえ、我がこととは無縁と生きてきた。生を受けてからすでに半世紀を超え、着実に死に向かっていることに意識を向けることもないまま、告げられた宣告。ここに綴った文章がどこかの誰かに役立てば幸いです。

下痢型過敏性腸症候群

五月三〇日、月曜日の正午に検査結果を聞きにまた京都へ。ワイフは前日からひどい腰痛に見舞われていたが、痛みに耐えつつ、随行してくれた。

「痩せたね」

主治医の第一声である。

「腸ろうやめたからなあ」

苦笑いするしかない。問題はそこではない。まめに間食をとるようにしているのだが、一日に食したものを全部合わせても2000カロリーには遠く及ばない。そのうえ頻繁に腹痛と下痢に見舞われる。多くの日本人男性のように生まれつき腸が弱く、長年、正露丸と漢方胃腸薬の世話になっている。

状況を説明すると、イリボーODという下痢型過敏性腸症候群の治療剤を試してみることになり、ずっと飲んでいる胃散過多防止のネキシウムは半分の量の錠剤をふた月飲んでからひと月なしで様子をみることになった。

CTと内視鏡に問題はなく、血液はすべて正常値。次の検査までには少し体重を増やしておきたいのだが、あせっても仕方がない。下痢がなくなれば減ることはないはずだ。

ただ危惧するのは、湿気に弱い体質だ。真夏になると発汗が多くなり、毎年体調を崩す。さて、今年の夏はどう乗り切るか。

待ち時間を含めてちょうど二時間。病院前のいつもの薬局で薬を買い、いつもの鴨川でコンビニで買ったハムサンドを食す。先日はこの後気分が悪くなったが、今日はなんともない。しかし、ワイフにどこかへ立ち寄る余裕などなく、まっすぐに帰宅した。