食道癌と自然体で向き合う [Living Naturally with Esophageal Cancer]

人生は不公平極まりないが、すべての命は例外なく尽きる。そんな当たり前のことでさえ、我がこととは無縁と生きてきた。生を受けてからすでに半世紀を超え、着実に死に向かっていることに意識を向けることもないまま、告げられた宣告。ここに綴った文章がどこかの誰かに役立てば幸いです。

もうすぐ術後二年

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3月16日の検査の結果を聞きに主治医に会って来た。予想通り、CT も血液も問題なし。また三カ月後の検査の予約を入れた。今度は、苦手な胃カメラ付きなので気が重い。

罹患以来、ネットを主に様々なメディアから知識を得ているが、今気掛かりなことが二点ある。

ひとつは検診の必要性。

メディアはこぞって薦める。もちろん初期段階での発見、治療に越したことはないが、健康体であれば不用などころか逆効果の可能性が問われ始めていて、欧米ではCTなど健康体に悪害のある検診は減少の傾向だとのこと。

いまダンピングに日常的に悩まされている以外問題はない。が、定期的にCTなどで微量でも確実に放射能を浴びている。

そもそも私は初期段階で自覚があったので当時知識さえあればより早い段階で治療を開始できた。再発したときも当時の主治医が才量があれば、私の言い分を聞き入れてより技量のある医師を紹介してくれていれば、全摘手術などに至ることはなかった。

健康体なら検診などいらない。現状ではある意味、いたずらに身体を痛めているに過ぎないのだ。

もうひとつは、個体差。

これまでも指摘しているが、万人に効力にある魔法などこの世に存在しない。投薬、治療、手術、あらゆるものにリスクがある。

かつて十代の頃、留学先のLAで最初に知り合った日本人の友人が父親が人間ドックを受けて急死したために帰国したことを憶い出す。

まず、自身を知ることから始めなければならない。知識と行動はその次だ。

個体を突き詰めていけば、いわゆるDNAにたどり着く。現状では私たちはそれを変えることはできない。生まれたときに持っていたものを携えて一生生きていくしかない。

癌体質なら普通に日常生活を送っていれば罹患するのは当然。しかし、ある程度の抵抗は可能だ。

再発を避けるべくいま心掛けているのは、食事、睡眠、風呂。

そのうち食事について、先日気にかかる情報を得た。免疫及び抗菌作用がある食物の摂取を心がけ、特に納豆、キムチ、ヨーグルト等発酵食品を積極的に食べているのだが、ヨーグルトの研究で、ブルガリア人と日本人とでは効果に大きな差があることがわかったらしい。

他の食用油に比べて健康的だとされているオリーブオイルにおいても日本人の体質にはあまり効果的とは言えないらしい。DNAレベルで考えれば、ある意味、納得できる結果ではある。

さらに、納豆とキムチは一緒に摂取すると、より効果があるという研究結果も。今後はこちらををより積極的に取り入れたいと考えている。

せっかくの京都なので、いつも帰途、良さげなランチをネットで調べて寄り道をする。検査の日は入院時から気になっていた勝新が通ったという中庭が秀逸な古民家で天そば、外来の日は古民家を改造したおしゃれなカフェでフルーツサンド。

いずれも京都ならではの雰囲気を味わえたが、食優先の大阪人には価格に場所代が半分入っていると感じる。その価値は微妙だ。もうすっかり慣れているが。

来週はLAから知り合いがやってくるので、この春三度目の京都となる。祇園にある、京都では数少ない、雰囲気プラス価格に見合った天丼を味わえる店をチェックしたら定休日。残念だが、清水寺の夜桜を拝観できるのできっと喜んでくれるだろう。