食道癌と自然体で向き合う [Living Naturally with Esophageal Cancer]

人生は不公平極まりないが、すべての命は例外なく尽きる。そんな当たり前のことでさえ、我がこととは無縁と生きてきた。生を受けてからすでに半世紀を超え、着実に死に向かっていることに意識を向けることもないまま、告げられた宣告。ここに綴った文章がどこかの誰かに役立てば幸いです。

#練習用

引越しました

引越し先はこちらです。 今後ともよろしくお願いします。 http://pepsinishida.blogspot.jp

術後三年まで後ひと月

桜はすっかり散って、春めいた曇り空の下、先日の検査結果を聞きに京都へ。主治医が緊急手術ということで、入院時に優しい言葉をかけて下さった、ワイフお気に入りのH先生と再会した。 「検査結果を見ただけでよくコントロールされていることがわかりますよ…

誤嚥、お得感、夜桜、健康

先日久しぶりに逆流、誤嚥した。飛び起き、スリッパも履かず、メガネもスマホも手にせず、階下ヘまっしぐら。 洗面所でむせまくり、うがいを繰り返し、少し落ち着いたとリビングで座り込むが、喉の痛みとむせは治らず、洗面所への往復を10数回繰り返し、ワイ…

もうすぐ術後三年

定例の検診結果を聞くために真冬の京都へ出かけると、突然ワイフが立ち止まり、同時に声を上げた。 「山中先生!」 目の前のタクシーが駐車場の中へ入っていく。この研究所の前を歩くたびにノーベル賞受賞者の山中教授の話をしたのは度々あったが、まさか実際…

耳管開放症

先日検査結果を聞きに主治医のもとへ訪れたときのこと。 血液検査は概ね良好、CTも問題なし。そこでひとつ気になっていた質問をした。外出すると頻繁に耳詰まりするようになり、一向に改善の兆しがないことだ。 「手術は無関係だから気になるのなら耳鼻科へ…

患者という立場

定例の3ヶ月検診。午後からの採血とCTだけなので気楽に構えていたが、想像以上だった。 採血はなんと初めて待ち時間なし。CTは四人待機していたが、利用者アンケートを渡され、書き込み終えたところで、「血管に入りにくいとありましたので」と言われて問題…

医者のスキル

先日TBSの特番『スーパードクターズ』を観た。御馴染みの脳神経外科医福島先生の巧みな技量は健在。74歳になられていまだあのタイトなスケジュールを平気でこなしておられることに感銘を受けた。 福島先生しか助けることができない命は世界中にある。先日亡…

悪くない数字

梅雨の間の晴れた日、蒸し暑い初夏の古都へ、先日の検査結果を聞きに出かけた。 血液、内視鏡、CT、すべて良好。 「2年になりましたね」 縫合不全は自力で治癒を待つしかなく、身体は栄養剤を受けつけず、吐くものがないのに一日中容器に顔を突っ込んで嗚咽…

術後2年

5月14日は亡き母の誕生日。生存していれば今年89歳。ワイフが奮発して母の好物のケーキを買って来て遺影の前に置いてくれた。 2年前の5月14日は私が覚悟を決めて入院した日でもある。12時間に及んだ手術はその5日後の19日だった。 その後の半年は、入院中、…

もうすぐ術後二年

3月16日の検査の結果を聞きに主治医に会って来た。予想通り、CT も血液も問題なし。また三カ月後の検査の予約を入れた。今度は、苦手な胃カメラ付きなので気が重い。 罹患以来、ネットを主に様々なメディアから知識を得ているが、今気掛かりなことが二点あ…

ちょっと遅れた三ヶ月検診

Hatenaのカコさんのような熱心で興味深いブログを読ませていただくだけで、自分では検診後しか書き込まなくなってしまっている。 久しぶりに自分の頁を開くと、それでも今日7人の訪問者。罹患して情報を求めている人たちがいることを久しぶりに実感する、3年…

癌検診に期待しない

http://gigazine.net/news/20160112-cancer-screening-mortality-rate/ オレゴン健康科学大学の准教授が発表した論文が騒がせているとのこと。 毎月検診を受けていたのに再発を防げなかった者の一言。 現在のレベルでは検診はほとんど無力に 近い。日々の生…

閲覧者一万人を越えて

様々な人々の書き込みや情報から恩恵を得たことから、自らがブログを書くことで少しでも次の人たちの役に立てたらという想いで始めたら、訪問者数が一万人を越えた。 癌に罹患して困惑している人たちにひとつ言いたいことがある。 近年芸能人たちが罹患して…

リンゴ

詐欺士さんの『隠れてリンゴ』と事情がありそうなコメントに触発されて^ - ^ リンゴの有益性はいろんなところに語られていて私も以前よりとるようにしている。しかしながら皮ごとでないともったいないのがポイント。 若くはないのでバリバリはちときつい。 …

退院後

自宅に戻ってもやることは同じ3回の栄養剤を何時間もかけて腸ようから吸収する。 しかし、これがなかなか思い通りにならない。簡易器具でやるために、ときに気がつくとあっという間に終っていたりして、そのたびに強烈に下痢に見舞われる。 私の場合、エレ…

縫合不全

手術(12時間以上)を受けてひと月が過ぎ、私はまだ入院している。 当初の経過は良好と思われたが、飲み物を飲んだところで高熱が出て再検査。 縫合不全。 手術に際して最も怖れていたこと。長期戦を覚悟するように主治医に言われた。 唾が患部と接触しないよ…

狭窄感

問診と処方箋をもらうだけなので、年が明けて初の診察は久しぶりにひとりで出かけた。 主治医が調子は?といつと同じように訊くので、「狭窄感がきつい」と答えた。 『狭窄感』という言葉は、この病気になって初めて知った。患部は食道で、癌はなくなってい…

経過観察

四月末日に陽子線治療を終え、五月の連休明けに医大で主治医と会った。当初の予定では、再度抗癌剤投与で入院のはずであったので、断るつもり満々でいたら、K医師はそれにはまったく触れず、CTやりましょうかと。 癌そのものが消滅しているので(肉眼的に)…

陽子線治療を終えて

ひと月近い兵庫県の山奥での治療生活を終え、大阪の住宅地に戻って来てはや一週間が過ぎた。 「食道癌は15回」という照射回数について、当初は、個人差や癌の進行度合いなど色々と吟味する必要があるだろうに、ずいぶんと適当なと思っていたが、私の場合、…

抗がん剤投与

手術を選択しない食道癌患者を待っているのは、抗がん剤と放射線である。 抗がん剤による治療とは、患部と対峙する放射線に反し、広範囲の効果を期待するもので、太い血管である中心静脈まで挿入したカテーテルを介して薬剤を投与するのが主流のようだ。 私…

医者の選択

2014年2月14 日金曜日午前10時半。St. Valentine's Dayに最初の入院というのは憶えやすいと想っていたら、日本列島は寒波に襲われ、大阪も近年にない積雪に見舞われた。病室に生活用具をセットし終えると、放射線医で森本レオ似の担当医が現れ、最初の抗がん…