陽子線治療11回目
陽子線治療11回目。
いつものように数人(ふたりから六人)の技師に導かれて治療台にうつ伏せになって二十分ほど。マイクから「治療に入ります」、そしてしばらくすると「治療終りました」という声がするだけ。
唾を呑み込むのは厳禁で、6回目だったか、猛烈に咳が出そうになり、涙を流しながら堪えていると、「呼吸は普通にお願いします」と。要するに、うつ伏せになって治療に入る十分ほどの時間は患部の位置合わせに費やされているようだ。実質の照射は二分ほどなそうな。
今日、11回目の治療を終えてすぐに内視鏡検査が入った。通算、五度目になるが、何度やってもこれは苦しい。
陽子線を選んで正解だった。
「顕微鏡レベルではまだわかりません」
残り四回の照射で消滅してもらおう。