食道癌と自然体で向き合う [Living Naturally with Esophageal Cancer]

人生は不公平極まりないが、すべての命は例外なく尽きる。そんな当たり前のことでさえ、我がこととは無縁と生きてきた。生を受けてからすでに半世紀を超え、着実に死に向かっていることに意識を向けることもないまま、告げられた宣告。ここに綴った文章がどこかの誰かに役立てば幸いです。

ネキシウムは重要

八月一八日にCTと血液の検査をし、その結果を主治医から聞きに二九日の月曜日に再び真夏の京都へ。 いずれもワイフは有給休暇をとって一日かがり。いつものことだが、もっと合理的にならないかと想う。検査の結果が出るまでに時間が必要なことはわかる。しか…

敏感であること

幼少の頃、テレビの競馬中継を観て、サラブレッドの美しさ、逞しさ、そして儚さに魅了され、アメリカ留学時代に初めて馬券を購入してビギナーラックで儲け、東京で会社勤めをしているときに同僚に誘われて初めてJRAの馬券を購入し、またまたビギナーラックで…

下痢型過敏性腸症候群

五月三〇日、月曜日の正午に検査結果を聞きにまた京都へ。ワイフは前日からひどい腰痛に見舞われていたが、痛みに耐えつつ、随行してくれた。 「痩せたね」 主治医の第一声である。 「腸ろうやめたからなあ」 苦笑いするしかない。問題はそこではない。まめ…

人にまつわる数字

五月十四日は亡き母の誕生日であり、特別な日であると同時に特別な連数字でもある。 今年は土曜日だったのでワイフと一万歩散策を兼ねて遠くのスーパーへ出かけ、遺影に供えるためにマスクメロンを購入した。熊本産と高知産と同じ値段で陳列してあったが、迷…

腸ろうがとれる

2月22日。 三ヶ月ぶりの京都は真冬とは思えない穏やかな風情。月曜の朝だというのに病院のなかもいつになく穏やかで人も少ない。血を抜くのも50人くらいですぐに順番が回って来た。その後のCTもすぐに済んだ。 担当医とは午後イチということで病院内の…

RIP To GLENN

国立がん研究センターの公表によると、『食道がん、胆のう・胆道がん、肝臓がんの10年生存率は30%以下』。 つまり、10人中7人は罹患して10年以内に亡くなる。7人というのはかなり大きな数字のように感じる。私の場合、13年暮れに発覚し、翌年春に陽子線…

癌検診に期待しない

http://gigazine.net/news/20160112-cancer-screening-mortality-rate/ オレゴン健康科学大学の准教授が発表した論文が騒がせているとのこと。 毎月検診を受けていたのに再発を防げなかった者の一言。 現在のレベルでは検診はほとんど無力に 近い。日々の生…

閲覧者一万人を越えて

様々な人々の書き込みや情報から恩恵を得たことから、自らがブログを書くことで少しでも次の人たちの役に立てたらという想いで始めたら、訪問者数が一万人を越えた。 癌に罹患して困惑している人たちにひとつ言いたいことがある。 近年芸能人たちが罹患して…

喫煙とひじき

引き続き、詐欺士さんのブログにインスパイアされて。 『喫煙』について詐欺士さんはかなりの愛煙家だったそうだが、癌発覚後、禁煙されたそうな。しかしながら私は以前と変わらず一日一箱喫っている。詐欺士さんは出会った医者の言葉がきっかけになったとあ…

リンゴ

詐欺士さんの『隠れてリンゴ』と事情がありそうなコメントに触発されて^ - ^ リンゴの有益性はいろんなところに語られていて私も以前よりとるようにしている。しかしながら皮ごとでないともったいないのがポイント。 若くはないのでバリバリはちときつい。 …

食道がん術後の食事

食道がんに関する記事やブログを数百以上目を通したが、現在参考にさせてもらっているのは唯一『詐欺士の戯言』のみである。手術時期、体型、以前の食生活など、さらに先日の検査、検診日時のコインシデンス(偶然の一致)など共通点が多いからである。しか…

腸ろう延長

11月30日、月曜日。 天気予報は外れてぽかぽかとする小春日和。川沿いで一服していると、ちょうど向かいに西日本最高額とTVで紹介されていたマンションの建設が進んでいるのが望める。空に水際に様々な鳥が飛び交う。 二日前の土曜日に日本最大の商店街天神…

検診

11月19日、木曜日。 食道の摘出手術を受けてちょうど半年。細胞の検査結果で問題なしと聞いてほぼ二ヶ月、ひさしぶりにK大病院へ。地下の駅から地上へ出ると辺りの景色は一変して秋風情の趣になっていた。樹々は赤く、黄色く、それらの葉が地面を敷き詰め、…

食事法

台風で東海地方が大荒れというニュースが嘘のように大阪と京都は薄曇りで涼しい穏やかな日。 前回とった細胞に問題がないことを医師から知らされ、まず安心。しかしながら、食道の拡張を希望すると、詰まることがあっても普通に食べれている程度じゃあバルー…

縫合後の食事

8月26日、胃カメラ検査をし、医師からショックなことを二点告げられた。 ひとつは、普通の人よりも食道が細いこと。内視鏡を使って広げる施術をすることを勧められた。 もうひとつは、胃カメラで撮った写真。確かに以前よりはきれいになっているのだが、一…

退院後

自宅に戻ってもやることは同じ3回の栄養剤を何時間もかけて腸ようから吸収する。 しかし、これがなかなか思い通りにならない。簡易器具でやるために、ときに気がつくとあっという間に終っていたりして、そのたびに強烈に下痢に見舞われる。 私の場合、エレ…

退院

しばらくほうっておいたら訪問者が8000近くになっている。それだけ情報を求めている人たちがいることを想い、続きを書く。 7月26日。退院した。医者が「ひげ」と呼ぶ、裂け目が消えたからだ。後は、ノルマの栄養剤を入れ続けるだけの日々が続くだけなので…

縫合不全

手術(12時間以上)を受けてひと月が過ぎ、私はまだ入院している。 当初の経過は良好と思われたが、飲み物を飲んだところで高熱が出て再検査。 縫合不全。 手術に際して最も怖れていたこと。長期戦を覚悟するように主治医に言われた。 唾が患部と接触しないよ…

再発、摘出出術へ

『たかが狭窄感である』 そう書いてあっという間に二ヶ月がたった。 その翌月の内視鏡検査で再発がわかった。すでにレベル2のサイズ。 胸部の不快感は昨年暮れからあったが、主治医はどこもおかしくないと言い、本人は晩期障害と思い込んでいたのでショック…

晩期障害

主治医が来月から転勤となってその病院も自宅からこの病院と変わらない距離にあるのでそちらで診察を続けてもらうことになり、この病院に来るのは最後の日。 昨年の今頃は毎日放射線を浴びに通っていた。 調子はどうだと訊くので、相変わらずと答える。相変…

狭窄感2

経過観察に入って三度目のCTスキャンの日。 陽子線治療を終えて十ヶ月、QOLにほとんど問題なく日常生活を送りつつ、月一の病院通いを続けている。 敷地内に入ると、ちょうど一年前、コロコロ(小型スーツケース)を引き摺って、大雪のなか、抗癌剤投与のため…

狭窄感

問診と処方箋をもらうだけなので、年が明けて初の診察は久しぶりにひとりで出かけた。 主治医が調子は?といつと同じように訊くので、「狭窄感がきつい」と答えた。 『狭窄感』という言葉は、この病気になって初めて知った。患部は食道で、癌はなくなってい…

今年最後の診察

今日は血液検査だけ。月曜の午後、普段の半分以下の患者数に少々驚く。そのおかげでいつもは5、60人ほど待たされるのがわずか10人で順番が回って来た。 おそらくいままで一番手慣れたおばさんがさっさと採血をしてくれる。 「かぶれたりしないですか」 …

胸部不快感

陽子線治療を終えて半年が過ぎ、二度目のCTスキャン。 主治医はまったく問題なしと言う。それはいいことなのだが、胸部の不快感はずっと続いていて症状を伝えるが、他の患者にそんなことを言う者はいないという。 不思議だ。ネットをみると同じことを訴えて…

治療後半年を迎えて

先月の定期検診に特記すべきことはなかった。有給をとった妻といっしょに出かけ、問診を受け、いつもの胃薬と睡眠薬の処方箋をもらい、近くの薬局でひと月分の薬をもらい、映画『ルーシー』を鑑賞し、食事して帰宅。 今月はひとりで出かけ、50人待ちで採血…

体重減少

先日、TVでサイバーナイフが紹介されていた。実は、陽子線と決める前、セカンドオピニオンも必要と思い、神戸にある施設に話を聞きに行った。現れた医者は専門医でもなく、こちらの質問でわからないことはいちいち携帯で訊く始末。まったくの無駄足だったこ…

経過観察

四月末日に陽子線治療を終え、五月の連休明けに医大で主治医と会った。当初の予定では、再度抗癌剤投与で入院のはずであったので、断るつもり満々でいたら、K医師はそれにはまったく触れず、CTやりましょうかと。 癌そのものが消滅しているので(肉眼的に)…

陽子線治療を終えて

ひと月近い兵庫県の山奥での治療生活を終え、大阪の住宅地に戻って来てはや一週間が過ぎた。 「食道癌は15回」という照射回数について、当初は、個人差や癌の進行度合いなど色々と吟味する必要があるだろうに、ずいぶんと適当なと思っていたが、私の場合、…

陽子線治療11回目

陽子線治療11回目。 治療室に最初に入ったときには、「ちびまる子ちゃん」など歌謡曲がかかっていたのだが、9回目のときに突然ジャズになり、昨日からクラシックが流れている。 いつものように数人(ふたりから六人)の技師に導かれて治療台にうつ伏せにな…

副作用3、陽子線治療

抗がん剤投与、放射線照射、抗がん剤投与と受けた後、様々な副作用に見舞われた。 一回目の抗がん剤後に悩まされた排尿障害は、今回は回避されたが、尿道が痛んでいることは放尿のたびにヒリヒリすることでわかる。一回目の後のように破れて出血に至らないよ…